全日本ロードレース、なんもわからん―各クラスの王者は翌年どこで走った?

8耐も全日本も鈴鹿サンデーも何回見に行ってんねんって話なんですけどね(挨拶)

自分で直接遊びたい(バイクに乗る、写真を撮る)方なので、レースの制度とか、特にレーサー個人への興味は大分薄いです。
永遠の初心者、にわかなのは仕方ないんですが、とにかくわからないです。
今回は「各クラスの年間王者が、翌年どのカテゴリをメインに戦ったのか」を調べてみました。

私の知識レベル

(※記事を書く前の認識、訂正された部分もそうでない部分もある)

JSB1000、ST1000、ST600、J-GP3というクラスがある。JSB1000が一番すごい。
STがつくと市販車ベースらしい。
中須賀克行はめっちゃ速い。長島哲太も速かった(8耐のとき、2コーナーからS字でカメラで追えないくらい速かったのが忘れられない)。鈴鹿8耐は2分6秒でめっちゃ盛り上がった。今4秒台出てるけど。

海外レースはMotoGPが最高峰で、Moto3→Moto2→MotoGPで昇格するらしい。今は小椋藍選手がすごい。Moto2、Moto3でも日本人ライダーが活躍している。WorldSBK(WSBK)は別枠で市販車ベースだから8耐でいうとSSTクラスみたいなもんだと思ってる。EWCは耐久の最高峰?

サーキットは何度か足を運んでいるのでも、場内実況で名前は何度も聞くから「聞いたことある、この選手は何度も聞く」選手はたくさんいますが、推しとかはほとんどいないです。星野知也選手くらい(使ってるツナギが同じメーカーなので←)。

子どもにテレビ(Youtube)取られるし、Motoバトルライブもあまり見れてない。時間が取れない。

そんな人がなぜ書いたのか

ここ数ヶ月、J-GP3周りの揉め事みたいなことがSNSで流れてきて、色々思うところがあって調べてみました。
上記の通り何も詳しくないし、有識者らしき人(レース関係者?インフルエンサー?)の作るゴシップストーリーに反応するような記事を書いても仕方がないので、今回はそういった話自体は取り上げません。
あと、最近(二輪以上に興味のない)スーパーフォーミュラを直接見に行く機会があって、でも何も知らないなりに二輪以上に面白いところがあるな?と感じて、じゃあ二輪レースに何が足りないのか、というところも気になって調べてみた次第です。四輪とは比較しないですが。

とりあえずクラスの違いについて公式を確認

まずはJRRのWebページを確認してみます。引用してもいいんですがざっくり要約

JSB1000:最高峰で、8耐やWSBKに通じる高い性能のマシンでトップチーム・ライダーが全力で挑む、頂点のレース
ST1000:市販の1000ccSSをベースにして、改造範囲が狭いのが特徴。マシン差が小さくなるのでライダーの技量やセッティング能力などで差が出やすい。自分のバイクに近い世界でトップレベルのレースが楽しめる!
ST600:ST1000と同様だが、軽量マシンでバトルが激しくなりやすい。若手ライダーの登竜門でもあるが、レースとしての完成度も高い
J-GP3:250ccで将来世界を目指す若手ライダーや世界を経験したベテラン・女性ライダーまで幅広く活躍。JRRの”未来”を担う重要クラス

とのこと。選手の進路について、具体的にはあまり書かれてないです。
ついでに2022年のMFJのページも確認してみると(要約が面倒になった+古いデータでリンクが切れても困るので画像貼り付け)、こちらは一応選手の進路についても書かれているようです。

各クラスで優勝するとどうなる?

私の予想

とりあえず小椋藍がmoto2で優勝してmotoGPに行ったのは知ってます。ということは国内もそういうノリで(J-GP3→ST600→ST1000→JSB1000)と上がっていくのだと思いました。まぁJ-GP3は世界への育成、みたいな話も見たので、ちょっとSNSみただけでもそうでもなさそうだ、というのは分かっていたので調べてみたわけですが…。

調査方法

ChatGPTを検索補助として使い、MFJ、JRR、メーカー、選手・チームの公式発表を中心に確認しました。Wikipediaなども経歴を探すための索引として参照しています。

「翌年の主な参戦先」は、原則として翌シーズンの主要な年間参戦カテゴリーです。スポット参戦、複数選手権への並行参戦、テストライダーなどの活動をすべて網羅したものではありません。分かる範囲で翌年の成績や状況も残しています。

また、集計単位はライダー数ではなく「王座獲得年」です。同一選手が連覇した場合も各シーズンを別に数えています。間違いが確認できた場合は修正します。

J-GP3

仮説:「世界への入口」というのなら、当然王者は世界へ旅立っているはず。

王座年チャンピオン翌年の主な参戦先翌年の成績・状況
2016徳留真紀J-GP2年間8位
2017伊達悠太J-GP2年間8位
2018中島元気ST600年間29位
2019長谷川聖ST1000年間12位
2020村瀬健琉ST1000年間15位
2021尾野弘樹J-GP3チャンピオン(2連覇)
2022尾野弘樹J-GP3チャンピオン(3連覇)
2023尾野弘樹J-GP3チャンピオン(4連覇)
2024尾野弘樹J-GP3チャンピオン(5連覇)
2025尾野弘樹J-GP32026年シーズン参戦中

答え:そうでもなかった。

というか、尾野選手すごすぎるな(今更)。何なんだこれ。

  • 国内別クラス(J-GP2、ST600、ST1000)へ移行:5例
  • J-GP3継続参戦:5例(ただし全て尾野選手)

J-GP2っていうのがそもそもあったんですね(後述)
今回の「王者の参戦先と成績を追いかける」方法ではJ-GP3の育成機能は評価できない(王者になる前に別のクラスに移っている選手がいるはず)ので、別の調査が必要そうです。

ST600

仮説:公式が「登竜門」と言っているなら実際に登竜門に違いない

王座年チャンピオン翌年の主な参戦先翌年の成績・状況
2016榎戸育寛J-GP2年間6位
2017前田恵助JSB1000年間21位
2018岡本裕生ST600年間3位
2019小山知良ST600年間3位
2020岡本裕生ST1000年間5位
2021埜口遥希ARRC ASB1000年間2位
2022荒川晃大ST1000年間2位
2023阿部恵斗ST600チャンピオン(連覇)
2024阿部恵斗ARRC ASB1000年間3位
2025伊達悠太ST6002026年シーズン参戦中

結論:たしかに登竜門っぽい。少なくともJ-GP3やST1000(後述)よりは進路が別れているように見える。

優勝者は8耐とかでよく聞く選手が多い気がします。

  • ST600を継続:4例
  • 国内別クラス(ST1000,JSB1000,J-GP2)へ移行:4例
  • ARRC・ASB1000へ移行:2例

ST1000(+J-GP2)

仮説:当然JSB1000へ行くに違いない

10年分をまとめるため、2019年廃止になったJ-GP2とST1000を合わせてまとめました。
ただ、排気量も設立目的も別のクラスなので一緒にするのも不適当っぽいのですが。

王座年クラスチャンピオン翌年の主な参戦先翌年の成績・状況
2016J-GP2浦本修充JSB1000年間13位
2017J-GP2水野涼JSB1000年間11位
2018J-GP2岩戸亮介JSB1000年間9位
2019J-GP2名越哲平ST1000(新設)年間2位
2020ST1000高橋裕紀EWCフル参戦
ST1000スポット参戦
F C C TSR Honda Franceでチーム年間5位
エストリル12時間優勝
2021ST1000渡辺一馬ST1000チャンピオン(2連覇)
2022ST1000渡辺一馬ST1000チャンピオン(3連覇)
2023ST1000渡辺一馬ST1000開幕前公開テストで負傷全戦欠場
2024ST1000國井勇輝Moto2世界選手権年間30位
2025ST1000羽田太河ST1000
JSB1000スポット参戦
ST1000参戦中
JSB1000第1戦にスポット参戦

結論:J-GP2は正解、ST1000はどうも違う

J-GP2

  • 2016~2018 → JSB1000
  • 2019 → 新設ST1000、その翌年JSB1000

ST1000

  • 3例:翌年もST1000を主戦場として実際に参戦
    • 渡辺一馬選手:2021年王者→2022年継続、2022年王者→2023年継続
    • 羽田太河選手:2025年王者→2026年継続
  • 1例:継続参戦予定だったが、負傷により年間出走なし
    • 渡辺一馬選手:2023年王者→2024年全戦欠場
  • 1例:EWCへ
  • 1例:Moto2へ
  • 翌年すぐJSB1000へフル参戦した王者:0

J-GP2について調べると、ST600の改造範囲を車体側まで広げたもの、というだけではなくデチューン版Moto2マシンも参加可能だったみたいです。
J-GP2の設立目的は(公式には)

  • ST600上位者の固定化を緩和し、上位者のステップアップ先を作る
  • 将来、世界選手権Moto2へつながる道筋を作る
  • 若手のステップアップルートを確立する
  • 国内コンストラクターが独自車体を製作する事業機会を作る

というところにあったそうです(参考:https://archive.mfj.or.jp/PDF_files/JGP2_info091225.pdf
Moto2への接続を意識したクラスだったと言われていますが、実態としてはST600からJSB1000へ向かう中間クラスとしての機能を果たしていたと言って良いでしょう。素人目には分かりやすいクラスですが、やはり参入ハードルが高かったのか、参加者の減少、かつMoto2の規則変更などの影響で廃止になったようです。

じゃあST1000はどうなのか、というと車両規則的には世界耐久(EWC)のSSTクラスやASB1000(アジア)が近いらしいです。ST1000から比較的少ない改造でSSTやASB1000のレギュレーションに対応できるように、との考えがあるようです。(資料
ただ、ライダー単位で見るとトップを取ったとしても翌年もST1000走っているケースが多そうです。翌年の移籍先だけを見ると、ST600王者からASB1000へ進んだ例の方が目立ちます。ただし、國井勇輝選手は2024年にST1000とASB1000に並行参戦し、両方で王者になっているそうです。知らんかったけどすごすぎるな。
あとASB1000って単純にJSB1000のアジア版だと思ってましたけど(最高峰クラスなのは間違いないらしい)、これも知りませんでした。(じゃあ、結局JSB1000はなんなのか?)

JSB1000

仮説:起源にして、頂点(説明不要ッッッ!!!)

王座年チャンピオン翌年の主な参戦先翌年の成績・状況
2016中須賀克行JSB1000年間6位
2017高橋巧JSB1000年間2位
2018中須賀克行JSB1000チャンピオン(2連覇)
2019中須賀克行JSB1000年間7位
2020野左根航汰WorldSBK年間14位
2021中須賀克行JSB1000チャンピオン(2連覇)
2022中須賀克行JSB1000チャンピオン(3連覇)
2023中須賀克行JSB1000年間2位
2024岡本裕生WorldSSP年間18位
2025中須賀克行JSB10002026年シーズン参戦中2026年限りで引退予定

結論:ほぼ正解。国内の最高到達点。

  • 翌年もJSB1000:8例(ただし7例中須賀選手)
  • 世界選手権へ移行:2例
    • 野左根航汰選手 → WorldSBK
    • 岡本裕生選手 → WorldSSP

改めて、とにかく中須賀選手が強すぎますね。
あと、MotoGPシリーズには行かないものなのか!というのが率直な感想です。むしろWSBKシリーズに行ってますね。

MotoGPは競技専用プロトタイプで別枠。一方WSBK・JSB1000・ST1000はすべて市販車ベース。だけどWSBKとJSB1000は改造自由度が特に高く(スーパーバイクっていうらしい)、ST1000は改造範囲を抑えたスーパーストック。ということで、冒頭の私の認識(ST1000はWSBKと近縁)はどうやら正確ではなかったようです。もう分からんなコレ。

各表からわかったこと、わからなかったこと

王者の翌年だけを見ると、各クラスで傾向がだいぶ違っていました。

J-GP3は、尾野選手の直近5連覇という偉業でマスクされてしまっていて、王者の行き先をみるだけでは育成機能の有無は判断できないです(チャレンジクラス?については別途調べます)。
ST600は国内外の別カテゴリー、別クラスに移行する選手が比較的多いので、一番「登竜門」っぽいです。
ST1000も渡辺一馬選手の連覇の影響が大きくて何とも言えないですが、國井選手のように並行してASB1000を戦う例やEWC、Moto2へ進む例がある一方、JSB1000に直接移行した選手はいない状況です。そのため、王者の流れを追う限りは「次代のJSB1000や世界Moto2で通用するライダーを輩出するクラス」とは言えなさそうです。(https://archive.mfj.or.jp/user/contents/race/race_detail/Paid%3D4436_detail.html
JSB1000は大半の王者が残り、一部がWorldSBKやWorldSSPへ進む、国内での到達点に近いクラスでした。

結論(予想は予想通り外れた)

とにかく複雑!! 思った以上に長くなってしまった。ChatGPT以外に誰が読んでくれたのコレ。

今回調べる前は、J-GP3→ST600→ST1000→JSB1000 って順繰りに昇格していき、その先に世界戦(MotoGP,Moto3など)があると思っていました。
排気量順にクラスが並べられていて、JSB1000が最高峰と位置づけられているので普通に考えたらそうだろうと思っていました。
なので過去10年の各クラス王者の翌年(とその成績)を調べてみたら

J-GP3は旧J-GP2、ST600、ST1000へ
ST600からはST1000、JSB1000、ASB1000へ
ST1000はそのまま残りがち。EWCやMoto2に行った選手もいる
JSB1000は最高到達点。一部はWorldSBK、WorldSSPに

というわけで全然一本道ではないようです。
もしかするとこの「自由さ」がこの競技の魅力なのかもしれません。

ただ私のような人間からすると、出場選手のキャリアは全く見通せませんでした。公式情報を読めば各クラスの車両とか見どころはわかるけども、「クラスで優勝したらその選手は次にどうなるのか?」という質問には「このクラスで優勝したということは、このクラスで優勝したということです」以上の読み取りはできませんでした。
過去のクラス設立時の公式資料まで遡れば、設立意図はわかりますけど、その実態はどうなったのか?はまた別の話のようです。選手のキャリアとクラスって、多くのレースファンは気にしてないってことなんですかね(まぁ私もそこまで気にしてませんでしたけど)。

何にせよ、全日本のこの4クラス、単に上下に並べられるものではない、ということだけはわかりました。上下じゃないなら、なぜ全日本という枠組みの中でクラスがそれぞれ存在するのか?という素朴な疑問もあります。(MotoGPは明らかに序列がありますし、オンロード・オフロード・トライアルはそれはそれで分けられてます。四輪ならオンロードでもフォーミュラと箱車は素人目にも別カテゴリだね、とわかります。格闘技は体重別で分けられますけどこれはまぁ納得。)

公式でキャリアマップでも書いてくれるといいと思うんですが、まぁ個別要素が強すぎて難しいのだと思います。でもなんとかならんかなぁ。

何にせよ、私のような素人には難しい世界です。

というわけで、今日はこの辺で。

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