バイク用プロテクター EN規格 CE Level1 CE Level2って何?
アクセスが良かった日記を再編集して固定ページにしています。
時間が経過して古くなった情報は再編集しますが、うまく見つけられるかどうか。
目次?
バイク用のツナギ(レーシングスーツ)を買うことにしました。
レースするわけでもないのですが、せっかくスーパースポーツに乗っているので冒険してみたいなと思いまして(死亡フラグ)。→死にました(生きてます)
レーシングスーツは一応オーダーすることに決めました。正式発注したばかりで何も決まってないので、この辺はおいておきます。さて、最近のレーシングスーツには胸部プロテクターと脊椎プロテクターを中に入れるのが基本のようです。
もちろん供給メーカーもたくさんあります。
HYOD
クシタニ
DAINESE
RS-Taichi
KOMINE
FORCE FIELD
無限電光(Hit-Air)
というわけで例によって例のごとく、チキンマンの私は「何がいいだろう」と調べ始めるわけです。
そうするとまず行き当たるのが「CE規格」と「CE規格Level2」の文字。
CE/EN規格とはなんぞや
FORCEFIELDのサイトにわかりやすい説明がありました(PDF)。
簡単に言うと
EN-1621
ヨーロッパ(EU圏内?)EN-1621という規格があって
- EN-1621-1:胸・脊椎以外のプロテクター用の基準
- EN-1621-2:脊椎プロテクター用の基準
- EN-1621-3:胸部プロテクター用の基準
- EN-1621-4:エアバッグ用の基準
がそれぞれあるそうです。
その中でlevel1とlevel2が存在します。
(2021/8追記)EN1621-3の胸部プロテクタ、EN-1621-2の脊椎プロテクタ以外はMFJに通らなくなったようです。
プロテクターに50J(実際は約2.5㎏のストライカ(重り)を2mの高さから落下させた場合)のエネルギーを与えた時に、何kNの力がプロテクターの下まで届くかを計測した値で決まるようです。
ハンマーでぶん殴ってどれだけの力が貫通するか、ですかね。50Jっていうのがどのくらいかというと2.5kgを時速22km/hでぶつける(=2mから落とす)、ことになります。
実際に事故したときに掛かる力はこの比ではなく、通ってれば安心というものではないということはわかると思います。もちろん無いよりは幾分良いと思います。試験はクリアするけど試験より強い衝撃だと衝撃全部通しちゃう、とかもあるかもしれません。いわゆる非線形です。
規格ごとの許容数値をまとめました。根拠はフォースフィールドのPDFとこのサイトです(リンク消えてたのでwaybackmachieに変更しました)。フォースフィールドのPDFには胸部(チェスト)プロテクターは「新たに制定される予定」と書いてありましたが、もう胸部プロテクターの基準はあります。コミネのページとの整合性は見てないので、この数字が違ってたらコミネが正しい(ハズ)です。
CE規格名 | LEVEL 1の許容透過力 | LEVEL 2の許容透過力 |
---|---|---|
EN-1621-1 (胸部・脊椎以外のプロテクター) | 35kN以下 | 20kN以下 |
EN-1621-2 (脊椎プロテクター) | 平均18kN以下、最大24kN以下 | 平均9kN以下、最大12kN以下 |
EN-1621-3 (胸部プロテクター) | 平均30kN以下、最大45kN以下 | 平均20kN以下、最大35kN以下 |
以下愚痴
ていうかね、こういうのってメーカーが率先して情報出すべきだと思うんですよ。
なんで素人が(必死で)調べないと情報でてこないのかって思います。
前にプロテクター付きジャケットを調べていたときもそうですけど、ホンダのプロテクターシステムが使えるのか使えないのか全然はっきりしなかったり。
最近はコミネが比較的わかりやすく出してくれてますね。良いことです。
以上愚痴
規格が出てきてくれたおかげで、各メーカーの性能が比べやすくなったかなぁと思います。サーキット走行するならもう規格が通ってないものは使用できないので、選びやすくなりましたね。
ただ、規格に通っていれば良いというものでも当然ありません、本当に必要な範囲が防護されているのか、とか。
防御性能いくら高くても身動き取れなかったら意味がありませんし。
話が発散してますが、要するにこういう規格が存在するので、プロテクター選びの目安にはなるのかなと思います。
CE規格対応!とかCE Level2対応!としかネットのカタログには書いてなくて、正直よく分からなかったので色々調べてしまいました。
CE EN 14021について
記事書いてる途中で気付きましたがこんな規格もあるようです。
これはオフロードバイクで飛び石を食らった時の胸部プロテクターの安全基準のようです。
衝撃吸収材が入っていない、硬いプロテクタが前提みたいです。
オンロード用だと衝撃吸収が前提になるので少し異なる基準ですね。
この基準を表立って満たしてるのはコミネ製品の一部のようです。オフロード用品のメーカーだとたくさんあるかも?
確かにオフロードバイクのプロテクターはもっと「硬い」イメージが有りますね。
さて、ここからアフィリエイトタイムです。
CE Level2を通ってる製品をピックアップしてみます(おそらくツナギ用)DAINESEとFORCEFIELDのはLevel2通ってるのが多いです。
脊椎プロテクター
Dainese(ダイネーゼ) MANIS D1 G2 001 N
コミネ(Komine) 背面プロテクター エクストリームバックガードCEレベル2 ブラック フリー 04-681 SK-681
コミネ(KOMINE) バイク用 エクストリームバックガードCEレベル2 free SK-681
・フォースフィールド
バックプロテクター・Pro Sub 4K
公表されているスペック的にはフォースフィールドが最強な気がします(アマゾンで取り扱いなくなってる?)。
胸部プロテクター
Dainese(ダイネーゼ) CHEST L2 001 M 欧州安全基準 CE-Level.2 1876040
RSタイチ(アールエスタイチ) ヘリンクスレーシングチェスト プロテクター 胸部 ブラック サイズ:フリー [NXV018]
HYOD
HRZ906 HYOD DYNAMIC D3O® CHEST PROTECTOR
以前よりだいぶ増えましたね。
規格について勘違い
というか、CE規格、調べれば調べるほど謎というか情報が錯綜しています。
HitAir見ると、prEN-1621-3:2011 という胸部プロテクターがありますが、level分けはされていないようです。
でもフォースフィールドのPDFによると1621-3は「新しくできる」って書いてあるんですよね(2015年の資料)。
そもそもprENのprってなんなんだって話ですが。
→出てきた。
prENっていうのは予備的欧州規格らしいです。そもそもCEとEN規格の関係ってなんだ!?
ググりました。
CEマーキングの概要:EU
今まで散々「CE規格」って言ってましたが、これがそもそもの間違いみたいです。
CEは規格じゃなくてEUに輸出するときにその製品がEUのルールを守ってますよという「マーク」らしいです。
つまり、CEがついてないものはEUには輸出できないものであるということのようです。確かにいちいち欧州なんちゃら規格対応!って書いてあるよりもよほどシンプルですね。
CEマーキングさえされていればEUでは自由に流通できる、その詳細はEN規格などで定める、ということのようです。
これでようやく話が見えてきました(この支離滅裂さ、読者はわからないだろう……)。
これで情報がまとまったので整理します。
- prEN-1621-3とかついてる製品:レベル表記なし、予備規格に従っているので、現行規格に適合するかは不明(ここまで調べる気力ないです
- EN-1621-3 level1とかついてる製品:レベル表記あり。2016年現在での最新の規格を満たしています。
何度も言いますけど、規格が通ってりゃ良いってもんじゃありません。
しかし、規格がついてないものは最低限の保証すらありません。
「実際の衝突を考えた独自規格」でもいいですが、第三者が保証するものでもありません。
ここまで調べて出てこなかったので、国内にはプロテクターの規格はないようです。
日記というより、調べ直すがめんどいので備忘録の形で残しました。こうやってまとめると次々疑問が湧いてきて捗りますね。
今のところ胸プロテクタはHYODの最新型、脊椎はTaichiのフレックスバックプロテクターにしようと考えています。
EN規格は衝撃吸収だけ念頭をおいているので、折り曲げる力に強いかはわかりません。実際どうなんでしょう。
ダラダラ素人が半日調べただけの内容です。有識者のコメント大歓迎です。
【追記:2018/08/05】
脊椎はTaichiのフレックスバックプロテクター
胸部はHYODのHRZ-901
にしました。
RSタイチ(アールエスタイチ)バイク用プロテクター イエロー (M) CE フレックス バックプロテクター NXV311
最新モデルにしなかったのは厚みの違いです。
【追記:2021/08/08】
胸部プロテクターはLevel2に対応してないのでMFJのレースでは使えません。普段スポーツ走行する分には変わらないはずです。でも買い直すか、走ると決めたときには。
なれないうちに大怪我してしまったので、あんまり走るモチベーションが上がってません。
買うとしたらこの辺かな…。